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Render Networkの進化: Solana移行とAI推論への拡張

12,017文字

Render Networkとは、世界中に分散した余剰GPUリソースを統合し、AI推論や3DCG制作に必要な計算パワーをオンデマンドで提供する、分散型クラウド計算プラットフォームです。

前回の記事で詳解した「信頼」と「経済」というこの強固な規律を手に入れたネットワークが次に挑んだのは、爆発的に増大し、かつ複雑性を増す計算需要を光速で捌き切るための、計算インフラとしての飛躍でした。

本稿では、ネットワークが旧世界の技術的制約を脱ぎ捨て、最速の記録層へとその魂を移した歴史的決断と、その副作用として解き放たれた「AI推論」という新大陸への大拡張を紐解きます。

ハリウッド生まれのレンダリング基盤がいかにして、世界の知能を支える汎用計算インフラへと変貌を遂げたのか。

かつてない規模のAI開発競争が加速する現代において、Render Networkは今、最も激動の転換期を迎えています。中央集権の壁を突き崩し、演算の自由を真に確固たるものにするための、激動の進化の全貌をここに描き出します。

当ブログでは、Render Networkについて詳細を知りたい方に向けて、以下の合計7記事にわたって解説します。ぜひとも第一回の記事から順番にご覧下さい。

  1. Render Networkとは? GPUの民主化を目指すクラウド計算基盤
  2. Render Networkの仕組み: BMEモデルと「信頼」の担保
  3. Render Networkの進化: Solana移行とAI推論への拡張
  4. Render Networkの活用事例: 次世代メディアと自律型AIを支える分散型演算の実力
  5. Render Networkの将来性:
  6. Render Networkの競合分析:
  7. Render Networkのリスク:

Solana移行: リアルタイム経済圏への脱出

Render Networkがその心臓部をEthereumからSolanaへと移転させる決断を下した「RNP-002」は、単なるインフラの乗り換えではありませんでした。それは、ネットワークが「静的なレンダリングの委託先」から、AIやメタバースが要求する「動的でリアルタイムな計算資源の流動層」へと進化するための、避けては通れない聖遷だったのです。

かつてRender NetworkがEthereum上でトランザクションを処理していたとき、その速度は秒間わずか14件程度に過ぎませんでした。

一方で、Render Networkが1年間に処理しようとしていたレンダリングのフレーム数は数千万件にのぼります。 例えば200フレームのジョブを、各フレームの完了ごとにオンチェーンで決済しようとすれば、それだけでEthereumの処理能力を一時的に占有しかねないという、構造的な矛盾を抱えていたのです。

当時のコスト比較は、この決定の正しさを残酷なまでに証明していました。200フレームのジョブをEthereumで決済した場合の手数料は約140ドルに達していましたが、Solanaであれば0.001ドル以下、つまり5,000倍以上のコスト削減が可能になると試算されたのです。 「計算パワーの価格よりも、その計算を記録する手数料の方が高い」という本末転倒な事態を解消しなければ、第1回で述べた「GPUの民主化」など、到底達成し得ない夢物語でしかありませんでした。

Rustが繋ぐGPUとスマートコントラクト

Solanaへの移行がもたらしたもう一つの技術的恩恵は、プログラミング言語Rustへの統一です。

Ethereumで採用されている独自言語Solidityと比べて、RustはGPU演算の世界で広く使われるC++との親和性が極めて高く、開発者コミュニティの間でもSolana移行が熱望されていました。

… the network needs to be able to write high-performance code both on-chain and on GPUs. Rust can provide the Render Network greater speed and flexibility than Solidity, ultimately permitting the use of the same code for GPU render work and smart contracts.

Rustを利用することで、Render Networkはオンチェーンブロックチェーン上とGPUの両方で動作するコードを、より高速かつ柔軟に記述できるようになります。最終的には、GPUレンダリングの作業とスマートコントラクトを同じコードベースで扱うことすら可能になるのです。

https://github.com/rendernetwork/RNPs/blob/main/RNP-002.md

この言語の統一は、単なる開発効率の向上に留まりませんでした。

Render Networkが究極の目標に掲げる「real-time, rendered, interactive holographic streams」、リアルタイムでインタラクティブなホログラフィック・ストリーミングを実現するためには、ネットワークの状態をコンマ数秒の遅延もなくオンチェーンで更新し続ける必要があります。これはSolanaの低遅延インフラとRustの実行速度がなければ、実現することができないものでした。

シーングラフのDNAを刻む「NFT圧縮」

Render NetworkがSolanaを選んだ決定的な理由は、膨大なデータを安価に記録できるマークル木を用いた圧縮技術にもありました。他のチェーンにおけるマークル木は、主にトランザクションが正しいかを検証するために使われます。一方で、SolanaがMetaplexなどと共同開発した圧縮技術1は、「データの保存コストを劇的に下げる」ためにマークル木を応用しているのです。

Render Networkは、Solanaにこの技術が正式実装される前から3Dレンダリングネットワークにおける価値継承にも活用できることを見抜き、着々と移行の準備を整えていたのです。

3Dレンダリングの「シーン」1つ1つには、モデル、テクスチャ、照明設定など、数千のアセットが含まれています。これらをすべて個別のNFTとしてオンチェーンに記録することは、従来の技術ではコスト的に不可能でした。

しかし、Solanaの圧縮技術を利用すれば、これらの複雑な「シーングラフ」を丸ごとトークン化できます。これにより、ある作品がどのアーティストの素材を、どの程度の割合で使用しているのかという、Render Networkがホワイトペーパーで目指した「意味的な履歴(セマンティック・ヒストリー)」を、極小のコストで永続的に記録できるようになったのです。

これは、AI生成コンテンツにおける著作権と貢献度の管理が求められる現代において、Render Networkを唯一無二の演算の聖域たらしめているコア・テクノロジーとなりつつあります。

グローバル・ステートマシンとしてのSolanaと、エンジンとしてのRender Network

RenderCon 2025において、Solanaの共同創設者ラジ・ゴカル氏は、Solanaの役割を「グローバル・ステートマシン(世界規模の状態記録機)」と定義しました。

ラジ氏は、2017年当時CryptoKittiesの流行によってEthereumが物量に屈した光景を回想しながら、スループットとレイテンシの重要性を説きました。

I kind of think of it like… you know what if Chat GPT came out and every prompt took 30 minutes to get an answer back. That’s how it felt in 2017. There was something special but the experience wasn’t magical because it wasn’t performant.

もしChatGPTが登場したとして、プロンプトを入力してから回答が返ってくるまでに30分かかるとしたらどうでしょうか?技術的に魔法のようであっても、体験としては魔法ではありません。パフォーマンスが伴わなければ、それは実用的とは言えないのです

Solana and the Render Network in 2025 – RenderCon 2025 https://www.youtube.com/watch?v=53Yuk_ABH4w

Render Networkが提供する計算資源もまた同様でした。

AI推論や動画生成において、決済やリソースの割り当てに数分も待たされるようでは、現代のビジネススピードには対応できません。Solanaという基盤は、ブロックチェーンを「遅くて高価な台帳」から「光速に近い決済レイヤー」へと変貌させたのです。

2025年12月にローンチされたSolanaの新しいバリデータクライアントFiredancer2は、ネットワークのボトルネックを徹底的に取り除いています。ラジ・ゴカル氏によれば、Solanaの目標は「光速」との戦いであり、現在、秒間50万から100万トランザクションという、既存金融網を遥かに凌駕する処理能力を射程に捉えています。

この爆発的なキャパシティの拡大について、同対談においてラジ氏はかつての「1MBのUSBメモリ」を例に挙げて説明しました。 「1MBあれば一生困らない」と言われた時代もありましたが、容量が増えればそれだけリッチなコンテンツが生まれ、あっという間にその隙間は埋まってしまいます。

そして、Render Networkが扱うAI推論のデータや高精細動画も、まさにこの「空いた容量を価値で埋め尽くす」存在だったのです。

Render Networkは、今やDePINという巨大な潮流のリーダー的存在として君臨しています。ラジ氏は、Renderを「仮想インフラネットワーク」と呼び、帯域を共有するHeliumや、地図情報を収集するHivemapperといった他のDePINプロジェクトとの相乗効果を強調しました。

中央集権的なビッグテックが数千億円を投じて構築する物理的なインフラに対し、Renderは世界中の「休眠リソース」をブロックチェーンという神経系で繋ぐことで、わずか数百分の一のコストで同等以上の演算能力を構築しています。かつてGoogleが数千台の車両を走らせてGoogle Mapsを作ったように、今は世界中のトラック運転手がダッシュカメラで地図を更新し、世界中のゲーマーがRender Networkを通じてAIの進化を支えています。

この「資本集約型からコミュニティ駆動型へ」のパラダイムシフトこそが、Solana移行によってRender Networkが手に入れた、ビッグテックに対する最大の対抗手段なのです。

経済圏のリセットと「RENDER」の誕生

Solanaへの移行に伴い、ネットワークの基軸通貨はEthereum上のRNDRから、SolanaネイティブトークンであるRENDERへとアップグレードされました。これは単なる名称変更を超えて、第2回で解説したBMEモデルをSolana上で完全に稼働させるための経済的リブートでした。

既存のRNDRホルダーにとってチェーンを跨ぐ移行は大きな負担となりますが、Render Networkはこれを加速させるために戦略的なインセンティブを用意しました。

まず、移行を支援する「アップグレード・アシスタント」を通じて、最初の3ヶ月間はRender FoundationがEthereum側のガス代を1回分負担する補助プログラムを実施しました。さらに、早期にアップグレードしたユーザーほど多くの「ポイント」を獲得できる仕組みを導入し、最初の4,000万枚までの移行には1トークンあたり5ポイント、次いで4ポイントと段階的に報酬を減らすことで、迅速な流動性の移動を促しました。これらのポイントに基づき、年間合計114万枚のRENDERが、移行を完了させたホルダーへ按分で分配されました。

この「早い者勝ち」の設計により、流動性は急速にSolana上のRENDERへと集約されていったのです。

AIインフラ化を見据えた制度設計

このBMEモデルの本格稼働に伴い、トークンの発行スケジュールもRNP-006において厳密に定義されました。初年度の合計発行枚数は9,126,804 RENDERに設定され、月間約76万枚が新たにミントされました。そのうち50%はRender Network Foundationへ、残りの50%はネットワークへと分配されます。ネットワーク側の取り分のうち、当初はノードオペレーターへ190,142 RENDERが割り当てられ、残りは流動性報酬やアーティストへの還元へと充てられる仕組みです。

ノードオペレーターへの報酬を決定するスコアリングには4つの変数が用いられ、実績収益(重み0.25)、GPUモデル(重み0.20)、稼働率(重み0.20)、そして帯域幅(重み0.35)が評価の対象となります。

ここで帯域幅に最大の重みが置かれている事実は、Render Networkが大量のデータを高速に処理する必要がある「AI推論インフラ」へと進化するための明確な布石であったことがわかります。高性能なRTX 4090をスコア1.0の基準とし、100Mbps以上のダウンロード速度を要求するこの基準は、分散型コンピューティングでありながらビッグテックのデータセンターに匹敵する品質を担保するための規律として機能しました。

このようにRNP-006は、単なるトークンの移行計画に留まらず、世界中の高品質なGPUを束ね、AI時代の需要に即応できる強力な経済圏を構築するための「設計図」となったのです。

AI推論への大拡張

2024年から2025年にかけて、Render Networkが遂げた最も劇的な転換は、3DCGのレンダリングに特化したインフラから、AIと汎用計算を支える巨大な「演算クラスター」への拡張でした。この進化の核心にあるのが、コンシューマーグレードGPU(消費者が所有する高性能PC向けGPU)をAI推論の強力なリソースとして再定義した「RNP-019」です。Render Networkは、従来のレンダリング用ノードとは別に、AI推論などのワークロードに特化した専用のGPUノード群を配置することで、計算需要のパラダイムシフトに対応しました。

The Render Network is leveraging the convergence of general and AI compute demand by deploying dedicated GPU nodes, distinct from legacy rendering nodes due to divergent hardware and software requirements.

Render Networkは、ハードウェアおよびソフトウェアの要件が異なる従来のレンダリングノードとは別に、専用のGPUノードを配置することで、汎用計算とAI計算の需要の収束を活用しています。

https://github.com/rendernetwork/RNPs/blob/main/RNP-019.md

なぜRender Networkのノード、特に世界中に普及しているRTX 4090や最新のRTX 5090といったコンシューマー向けのハイエンドGPUがAI推論に最適なのでしょうか。

その理由は、AI推論というタスクが疎結合な計算、つまり個々の計算が独立して並列処理可能であるという性質にあります。RNP-019においても、分散型GPU処理において最も重要な要素として「GPUアーキテクチャとコア数」を挙げています。

しかし、分散型AI推論において、ノードの性能を決定づけるのは単なる演算速度だけではありません。RNP-019の技術仕様によれば、VRAMもまた極めて重要な重みを持って評価されています。AIモデルが中間結果やタスク固有のリソースをローカルに保存するためには十分なVRAM容量が必要であり、RTX 4090(VRAM 24GB)やRTX 5090(VRAM 32GB以上)を搭載したコンシューマーノードは、まさにこの推論の器として理想的な存在なのです。

これに、ノード間調整を可能にするネットワーク帯域や、計算効率を高めるクロック速度などが組み合わさることで、世界中に分散した個人のPCが、ビッグテックのデータセンターに対抗しうる「AIの神経系」として機能し始めました。

この分散型計算のポテンシャルは、すでに具体的なビジネスケースとして実を結びつつあります。例えば、2025年4月には金融サービス向けのAI搭載自動ワークフローを構築するManifest3、AIエージェント開発のためのオープンプロトコルであるThink AgentsがRender Networkと戦略的提携を結び、次世代のAIモデルを動かそうとしています。

しかし、Render Networkの野心はコンシューマー向けGPUに留まりませんでした。2025年後半、さらなる拡張として提案されたのが「RNP-021」です。この提案は、コンシューマーノードだけでは実行が困難な「最新の画像・動画生成モデル」に対応するため、エンタープライズグレード(企業向け)GPUの導入を決定づけるものでした。

While the Render Network remains primarily focused on artists and their global network of consumer GPUs, some of the current leading image and video models cannot yet be run on consumer nodes. We have therefore expanded the scope of RNP-019 by introducing RNP-021, which will bring enterprise-grade nodes…

Render Networkは引き続きアーティストとそのコンシューマーGPUのグローバルネットワークを主な焦点としていますが、現在の主要な画像・動画モデルの一部は、まだコンシューマーノードでは実行できません。そのため、RNP-019の範囲を拡大し、これらのモデルを駆動するためのエンタープライズ級ノードを導入するRNP-021を導入しました。

https://github.com/rendernetwork/RNPs/blob/main/RNP-021.md

RNP-021により、NVIDIA H100、H200、さらにはAMD Instinct MI300といったモンスターチップが、H200換算で最大1,200台規模を持ってネットワークに組み込まれることとなりました。

これは、単なるLLM推論の役割を超え、従来のモデルの10倍から100倍もの計算量を必要とする動画生成モデルのトレーニングや推論さえも可能にします。

80GBから141GBもの高帯域メモリを必要とするこれらのモデルに対し、Render NetworkはコンシューマーGPUの「数による力」と、エンタープライズGPUの「質による力」を融合させたハイブリッドな演算基盤を構築したのです。

RNP-021では計算能力の基準となるRTX 4090のベースライン報酬を10 RENDERから25 RENDERへと2.5倍に引き上げ、より強力なハードウェアを供出するインセンティブを強化しました。これは、ビッグテックが計算資源を独占する時代において、Render Networkが「演算の自由」を維持し、誰に対しても安価かつ強力な計算リソースを提供し続けるための「演算の聖域」としての防衛策に他なりません。

[Dispersed]; スケーラブルなAI計算資源の提供

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画像引用元: Render Network – Medium

2025年12月12日、Render Network Foundationは、世界的なAI計算資源の不足という危機的状況を打破するため、新たな分散型GPUプラットフォーム「Dispersed」を正式にローンチしました。

これまでガバナンス提案であるRNP-019およびRNP-021を通じて承認・拡張されてきたこのAI特化型計算プラットフォームは、中央集権的なハイパースケーラーが抱えるボトルネックを解消するために設計されました。

世界中で生成AI動画やAIワークロードが爆発的に増加する中、既存のクラウドプロバイダーは需要に応えきれず、コストの高騰とアクセスの制限という壁を構築してしまいました。Dispersedは、数千のグローバルに分散したGPUを一つのインフラへと統合することで、ベンダーロックインや不透明なAPIのない、スケーラブルで高性能な演算環境を開発者へ提供します。

AI開発者への宣戦布告

Dispersedのローンチは、単なる技術的な拡張を超え、AI開発者が「モデルとデータを自分たちのコントロール下に置く」ための聖域の確立を意味します。Render Network Foundationの取締役であるトレバー・ハリーズ・ジョーンズ(Trevor Harries-Jones)氏は、この革新性を次のように強調しています。

Centralized clouds weren’t built for the pace of today’s AI. Dispersed puts compute where it’s needed, when it’s needed, letting teams run AI workloads and creative projects that weren’t previously possible on centralized, incumbent options.

中央集権的なクラウドは、今日のAIのスピードに合わせて構築されてはいません。Dispersedは、計算資源が必要なときに、必要な場所へと配置します。これにより、これまでの既存の中央集権的な選択肢では不可能だったAIワークロードやクリエイティブなプロジェクトを実行できるようになるのです。

https://rendernetwork.medium.com/render-network-launches-dispersed-to-address-global-ai-compute-shortage-84a16dacde78

このプラットフォームの実力は、次のような先駆的なパイロット顧客たちのプロジェクトによって証明されています。

3DとAIの融合:OTOY Studioの挑戦

Dispersedの主要なユーザーの一つが、OTOYが提供する新しい制作環境「OTOY Studio」です。

これは3Dワークフローと高度なAIツールをシームレスに統合するもので、数百種類に及ぶ「アーティストAIモデル」を活用したクリエイティブな作業の大部分を、Dispersedのネットワーク上で実行します。Render Networkの創設者であり、OTOYのCEOでもあるJules Urbach氏は、このプラットフォームがもたらす未来を語りました。

The next generation of media seamlessly integrates neural rendering and 3D pipelines, giving artists and developers unprecedented creative powers to realize their visions across a wider set of industries, workflows, and applications. The open, customizable access to high performance GPU compute power on Dispersed’s platform is an important building block to making this possible at scale.

次世代のメディアは、ニューラルレンダリングと3Dパイプラインをシームレスに統合し、アーティストや開発者に、幅広い業界やワークフロー、アプリケーションにわたって自らのビジョンを実現するための前例のない創造力を与えます。Dispersedのプラットフォームにおける高性能GPU計算パワーへのオープンでカスタマイズ可能なアクセスは、これを大規模に実現するための重要な構成要素なのです。

自律型AIエージェント:Scryptedの革新

レピュテーションに裏打ちされた自律型AIエージェントの展開を行うScrypted Networkは、AIエージェントを稼働させるプラットフォーム「Scrypted.ai」にDispersedを採用することを計画しています。Scryptedの創設者Tim Cotten氏は、自律型AIにとって分散型GPUがいかに不可欠であるかを説いています。

Autonomous AI depends on instant, reliable compute access. Render’s Dispersed platform gives our agents just that. With decentralized GPUs available on demand, our systems can generate content, ship updates, and run new pipelines automatically, which is something we can’t achieve on the centralized cloud.

自律型AIは、即時かつ信頼性の高い計算資源へのアクセスに依存しています。RenderのDispersedプラットフォームは、私たちのエージェントにまさにそれを提供してくれます。オンデマンドで利用可能な分散型GPUによって、私たちのシステムはコンテンツの生成やアップデートの発送、新しいパイプラインの実行を自動的に行うことができます。これは中央集権的なクラウドでは達成できないことです。

第三回のまとめ

第3回では、Render NetworkがEthereumからSolanaへとインフラ基盤を刷新し、単なるレンダリングツールから「AI推論の巨大クラスター」へと進化した過程を詳細に辿りました。

Solanaへの移行により手数料を無視できるレベルまで削減しつつ、Rustによる高度な開発環境とマークル木を用いたNFT圧縮による詳細な履歴管理を実現したインフラの刷新は、ネットワークの基礎体力を劇的に向上させました。

また、コンシューマー最上位グレードからエンタープライズ級GPUまでをもネットワークに統合することで、Render Networkはビッグテックの計算資源独占に対する強力な対抗軸を形成しました。そして、足元ではAI開発者特化型のインターフェースDispersedを始動させたことにより、ニューラルレンダリングが即座に実行可能な演算の聖域が確立されつつあります。

このように、ビッグテックの不透明な中央集権的制約から解放された自由な演算能力は、今やDePINという巨大な潮流の最前線を走っているのです。

次回予告

インフラ、経済、そして開発プラットフォームのすべてが整ったRender Networkは、今まさに現実の世界でどのように活用されているのでしょうか。

次回記事では、Render Networkを活用する具体的なプロジェクトを通じて、分散型計算の真価を浮き彫りにします。

当ブログでは、Render Networkについて詳細を知りたい方に向けて、以下の合計7記事にわたって解説します。ぜひとも第一回の記事から順番にご覧下さい。

  1. Render Networkとは? GPUの民主化を目指すクラウド計算基盤
  2. Render Networkの仕組み: BMEモデルと「信頼」の担保
  3. Render Networkの進化: Solana移行とAI推論への拡張
  4. Render Networkの活用事例: 次世代メディアと自律型AIを支える分散型演算の実力
  5. Render Networkの将来性:
  6. Render Networkの競合分析:
  7. Render Networkのリスク:
  1. https://web.archive.org/web/20230601154019/https://www.metaplex.com/posts/expanding-digital-assets-with-compression-for-nfts ↩︎
  2. https://x.com/solana/status/1999399841957576741 ↩︎
  3. https://www.einpresswire.com/article/803114550/the-manifest-network-and-the-render-network-partner-to-expand-decentralized-compute-for-enterprise-ai ↩︎



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