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The Graphの進化: Graph Horizonが描く「完全なる分散化」への軌道

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The Graphとは、ブロックチェーン上の膨大なデータを整理・検索可能にする、分散型のインデクシングプロトコルです。

この記事では、7部にわたるThe Graphの紹介記事の第3回として、The Graphの将来性を考察するうえでの礎となる、2025年12月にメインネットへリリースされたGraph Horizonアップデートに関する紹介と洞察を提供します。

前回の振り返り

本編に入る前に、これまでの歩みを簡単に振り返りましょう。

  • 第1回: The Graphが「Web3のGoogle」として、目次のないブロックチェーンの世界に「サブグラフ」という構造を与えた革命について解説しました。
  • 第2回: ネットワークを支える「インデクサー」「キュレーター」「デリゲーター」という3つの役割が、GRTというトークンを通じてどのように誠実性を担保しているのか、その経済的インセンティブの仕組みを紐解きました。

これまでは「今のThe Graph」の形を見てきましたが、第3回となる今回は、「これからのThe Graph」を決定づける巨大な転換点、「Graph Horizon」について深く掘り下げていきます。

Graph Horizonとは?

2020年のメインネットローンチ以来、The Graphは数兆件もの膨大なクエリを処理し、分散型インフラが机上の空論ではないことを証明してきました。

しかし、ブロックチェーンの世界は日々刻々と進化しています。リアルタイムのストリーミング、高度な分析プラットフォーム、特定の用途に特化したカスタムAPIなど、今のWeb3が求めているのは、もはや「サブグラフ」という単一の回答だけではありません。

2025年12月初旬に実装された「Graph Horizon」は、このプロトコルを「サブグラフ専用のインフラ」から、「あらゆるデータサービスのためのモジュール型プラットフォーム」へと脱皮させるためのアップデートでした。

これには、次のようなアップデートが含まれています。

  • モジュール型「データサービス・プロトコル」への進化(サブグラフ、Firehose、Substreams、SQL、LLMまでを飲み込む汎用プラットフォームへの進化)
  • ステーキングへのプロビジョンの導入(サブグラフ単位ではなく、データサービス単位のアロケーションへの移行)
  • デリゲーションの劇的変化(サービス単位デリゲーションへの移行、デリゲーターへのスラッシング適用)
  • 決済プロトコルの刷新:Graph PaymentsとTAPの一般化

こうしたアップデートの定義は、GIP(Graph Improvement Proposals)と呼ばれる改善提案書のうち、GIP-066「Introducing Graph Horizon – A data services protocol」に詳しく記載されています。

この記事では、それぞれのアップデート内容を俯瞰しながら、それが意味するところや目指す将来像について、詳しく分析していきます。

モジュール型「データサービス・プロトコル」への進化

第1回でご説明したように、The Graphは2020年の誕生以来、Subgraphという強力な一矢を持ってWeb3市場を射抜いてきました。これは開発者がGraphQLという標準的な言語を使ってオンチェーンデータを検索できる仕組みであり、dApp開発におけるデファクトスタンダードとして、広く市場に受容されてきました。

しかし、この成功は同時に、ある種の硬直性をもプロトコルにもたらしていたのです。

すなわち、Subgraphは事前定義された形式に従って整理されたデータをAPI形式で提供することに特化しており、それ以外の「生データの高速ストリーミング」や「複雑な相関分析」といった要望には、その構造上、柔軟に応えることが困難でした。

このような課題に対応するために、SubstreamsやToken APIといったプロダクトがリリースされてきたものの、プロトコル自体のステーキングや報酬の仕組みが「サブグラフをインデックスすること」と密結合であったため、新しいデータ提供の形を導入しようとすると、プロトコルの根幹から大規模な再構築をやり直す必要があったのです。

Graph Horizonは、この歪みを解消する一手となりました。二度と同じ問題が発生しないよう、プロトコルを「Subgraphを提供するアプリ」から「Subgraph、Token API、そしてAmp(、ひょっとすると将来登場するかもしれない、未知のプロダクトまで)、あらゆるデータサービスが動くための統合プラットフォーム」へと作り変えたのです。

Horizonは、インフラの核となる「経済的安全性(ステーキング)」と「決済機能」を共通のプリミティブとして切り離しました。その上で、SubstreamsやToken APIを完全分散型ネットワークにおけるサービスとして正式に迎え入れ、さらに未来のサービスがプラグイン形式で自由に追加できる環境を整えたのです。

ここで、第1回でも触れたThe Graph FoundationのPedro Diogo氏の言葉を今一度思い出す必要があります。

「(分散型システムの調整コストを考慮し)まず中央集権的な環境であっても最高の製品を作り、PMF(プロダクト・マーケットフィット)を証明する。その後にネットワークへ統合し、分散化する」

2025年12月の「Graph Horizon」の実装は、この戦略における「ネットワークへの統合」フェーズへの本格的な移行を実現する第一歩です。

同氏によれば、例えば、Substreamsは2026年中にパーミッションレスなデータサービスへと進化し、Horizon上に完全統合される予定です。

Amp、ampersendの戦場へ

このモジュール化が真に牙を剥くのは、まさに今からです。Horizonという土台が完成したことで、The Graphは従来の「Web3オタクのための技術」という枠を飛び越え、TradFiやAI経済圏という二大市場へ進出する準備が整いました。そして、それを見据えて、まさに2025年末の同時期にAmpやampersendといったプロダクトがローンチされたとみてよいでしょう。

Amp

TradFiと呼ばれる伝統的な金融機関は、単なるデータではなく「検証可能で、かつコンプライアンスを遵守したデータ」を求めます。Horizonのモジュール構造により、検証に特化したサービスをAmpとして統合することが可能になりました。これにより、銀行のデータアナリストがSQLでオンチェーンデータを叩きつつ、その正確性をプロトコルレベルで保証するという、かつてない信頼性を実現するサービスが提供できるようになったのです。

Ampersend

Graph HorizonはAIのために「データ」と「決済方法」(後述)を用意しました。そして、同じ開発チームから生まれたampersendは、その血管を通る「資金の蛇口」を人間がコントロールするためのダッシュボードを提供します。

AIエージェントが自律的にWeb上のAPIを叩き、x402規格に従って少額決済を完了させる際、裏側で流れるデータが「正しく検証されたもの」であるためには、Horizonによってモジュール化されたThe Graphのデータサービスが不可欠です。

2030年までに30兆ドルに達する1と予測されるAI経済圏において、ampersendがエージェントの行動を統制する司令塔となる陰で、The GraphはAIが根拠とするデータの真実性を担保する役目を担います。

このHorizonというアップデートは、The GraphをAI経済圏やTradFi市場における有力な選択肢の一つとして位置づけるための、戦略的なアップデートと言えるでしょう。

ステーキングへのプロビジョンの導入

これまでのThe Graphにおいて、インデクサーがインデクシングなどの作業提供をするためには、個別のサブグラフに対してGRTのアロケーションを行う必要がありました。

しかし、この仕組みにはプロトコルの成長を阻む「構造的な鎖」が存在していました。

すなわち、資金を特定のサブグラフにアロケーションすることと実際のインデクシングは不可分であったため、インデクサーは常にどのサブグラフに何GRTを配分するかというミクロな調整に追われていました。

これに対し、Graph Horizonでは、Provision(プロビジョン)と呼ばれる仕組みを導入し、インデクサーを特定の作業から解放し、「資本とリソースの自由な再配置」を可能にしたのです。

そうすることで、インデクサーは個別のSubgraphなどのデータに対してアロケーションを行うのではなく、「データサービス(Data Service)」という大きなカテゴリー単位で一括してプロビジョンを行うこととなりました。

当然、どのデータサービスに参入するかは、プロトコルの許可を必要としません。インデクサーは、自分の意思で「Subgraph」「Substreams」「Firehose」など、複数のプロビジョンを並行して作成できます。

これに関連して、Horizonを定義する提案書であるGIP-0066にはこう記されています:

service provider, the entity providing the service. In the case of the Subgraph Service they are known as indexers. For most data services this is probably also the case, however to accommodate any future data services where the indexing term might not make sense we utilize a generic term, “service provider”.

https://github.com/graphprotocol/graph-improvement-proposals/blob/main/gips/0066-graph-horizon.md

すなわち、「インデックスという言葉がそぐわない将来のデータサービスに対応するため、『サービスプロバイダー』という汎用的な用語を使用する」と、従来のインデクサーの定義を改めたのです。これにより、Graph Horizonはインデクサーを「索引作業員」から「分散型インフラの経営者」へと昇華せしめました。(本記事では、呼称統一のため以下もインデクサーと呼びます)

このアロケーションからプロビジョンへの移行は、GRTのユーティリティ(実用性)と資産価値を一段上のステージへ引き上げることになると予想されます。

つまり、これまでのGRTは「Subgraphを動かすための担保」それ以上でも以下でもありませんでした。しかしHorizon以降は、「Subgraph以外のSubstreamsやAmpなどを含む、全てのWeb3データサービスに対する担保」になります。
一つのプロビジョンでサブグラフ、Firehose、SQL分析など、複数の収益源をカバーできるため、各サービスが実際に需要を獲得し、適切な手数料設定がなされれば、1枚のGRTが生み出す収益期待値が理論上向上することを意味します。

また、プロビジョンによってデータサービスが多角化し、それらのサービスが利用されることで、ネットワーク全体のクエリボリュームは増加する可能性があります。 The Graphのプロトコルにはクエリ手数料の一部をバーンする仕組みがあります。それまでのSubgraph単体におけるクエリ収入では年間インフレ率を相殺するには至らず、インフレ通貨としての性質が強かったGRTですが、サービスの多様化 = クエリ増 = GRTの供給減というデフレ圧力が、実効性を帯びて働く可能性が高まります。

デリゲーションの劇的変化:資本の「自由」と「責任」の再定義

The Graphエコシステムにおいて最大多数であるデリゲーターという役割は、Horizon以前は言わば「守られた投資家」でした。技術的なトラブルやインデクサーの不正に巻き込まれても、自らの元本が削られるスラッシングリスクは存在しなかったからです。

しかし、Horizon以降はこのような「フリーライド」に変革がもたらされます。
Horizonにおけるデリゲーションの変更点は、以下の2点に集約されます。

1. サービス単位のデリゲーションへの移行

これまでのデリゲーションはインデクサーそれ自体に紐付いていました。しかしHorizon以降、デリゲーターは「特定のインデクサー」の「特定のデータサービス」に対して委任を行うことになります。

例えば、あるインデクサーが「Subgraph」と「Substreams」の両方のサービスを提供している場合、デリゲーターは「このインデクサーはSubstreamsで実績があるから、そちらに委任しよう」といった選択が必要になります。

これは、デリゲーターが利回りのみを見てインデクサーを決定していた状況から、インデクサーの専門性を目利きする必要性が増したことを意味します。すなわち、資本が、より効率的で需要のあるサービスへと自律的に集約される仕組みに転換したと言ってもよいでしょう。

2. デリゲーターへのスラッシングの適用

そして、Horizonがデリゲーターに対して最も変化をもたらしたアップデートこそが、「委任した資産もスラッシングの対象になる」という変更です。

ネットワーク全体の経済的安全性を高めるため、デリゲーターの委任したGRTもまた、スラッシングの対象となることになりました。インデクサー自身の資産だけでなく、委任された膨大なデリゲーションも「人質」として機能させることで、インデクサーの不正に対する抑止力を最大化する狙いがあります。

ただし、もちろん、デリゲーターが一方的に損をするわけではありません。GIP-0066では、「まずインデクサーの自己ステークが100%没収され、それでも足りない場合にのみ、デリゲーターの資産が削られる」という階層構造が導入されました。

これにより、デリゲーターは「信頼できない、あるいは自己ステークが極端に少ないインデクサー」への委任を避けるようになります。これは、ネットワーク全体の規律を維持するための、市場原理による浄化作用をもとらすことになります。

もちろん、リスクが増える一方で、大きな飴すなわちインセンティブも用意されました。Horizon以前は新規委任時に0.5%のデリゲーション税が課され、それはバーン(トークンの焼却)されていましたが、これが完全に撤廃されたのです。

これまでは、一度委任すると「元を取るまで動けない」というサンクコストが発生していました。税がなくなることで、デリゲーターはよりパフォーマンスの高いサービス、より誠実なインデクサーへと、柔軟に資本を移動させることが可能になります。

資本の移動が活発になれば、インデクサー間には苛烈な選別圧力が働き、非効率な運営者は淘汰され、ネットワーク全体の信頼性は向上します。The Graphのトークンエコノミクスにおいてはクエリ手数料の1%がバーンされることが規定されている2ため、これによってトークンの燃焼が加速するという好循環を生み出すことが期待されています。

つまるところ、このアップデートは「通行料=Delegation Tax」焼却モデルから実需に基づく「利用料=Query Fees」焼却モデルへの移行の第一歩と見ることができるかもしれません。それこそがPedro Diogo氏が言及する、目指すべき経済レイヤーのあり方だからです。

Currently, our core focus is to enable the protocol to scale to multiple data services with the thesis that (a) more staked GRT and (b) more service usage (query fees) drives token value. Scarcity happens via service usage, driving token burns, and more providers staking.

https://forum.thegraph.com/t/request-for-a-revised-big-picture-roadmap/6748/6

更には、この資本移動の再定義とそれに依拠するネットワーク信頼性の向上こそが、AmpやampersendのメインターゲットとなるTradFiやエンタープライズ層の要求に応えうる、高精細なデータインフラへの進化を決定づける不可欠な布石となります。彼らが求めるのは「安価な分散型」ではなく、経済的合理性に裏打ちされた「検証可能な真実」だからです。

決済プロトコルの刷新:AIエージェントエコノミーの疎通

またしてもPedro Diogo氏の引用になりますが、The GraphのコアチームはThe GraphをAIエージェントにとってのブロックチェーンデータレイヤーとすることを明確な目標としています。そして、そのためにampersendというプロダクトがローンチされたのです。

AI integration: We are embracing the agentic world, positioning The Graph as the blockchain data layer for AI Agents by natively supporting industry standards such as x402, A2A, and the next generation of MCP servers.

https://forum.thegraph.com/t/request-for-a-revised-big-picture-roadmap/6748/6

しかし、この目標を達成するために欠けている要素が更に1つありました。それは、ミリ秒単位で活動するAIエージェントから確実にThe Graphの利用料を徴収するための精算ロジックの実装でした。

AIエージェントたちが1秒間に数千回のクエリを投げ、その都度コンマ数円の支払いが発生するエージェント経済において、従来のオンチェーン決済はあまりに無力です。1回の支払いに数百円のガス代を払い、数分の承認待ちを強いるインフラでは、AIの思考スピードに追いつくことは物理的に不可能だからです。

そこでHorizonが導入したのが、GIP-0054で提唱され、GIP-0066で汎用化されたTAP (Timeline Aggregation Protocol) です。TAPは、Lightning NetworkやState Channelsなどで実証されてきたオフチェーン集計の概念を、The Graphのデータ決済に特化して実装したものです。

TAPは、AIエージェントとインデクサーの間で交わされる膨大な領収書(Receipt)をオフチェーンで集計し、RAV (Receipt Aggregate Voucher) と呼ばれる一つの「集計バウチャー」に圧縮します。

これにより、数千、数万件の超低額決済を最終的に一度のオンチェーン精算に集約することで、トランザクションコストを極限まで押し下げることが実現します。これはAIエージェントにとっての参入障壁を押し下げることに役立ちます。

また、この仕組みは利用者・サービス提供者双方の安全性確保にも寄与します。インデクサーは精算可能な証拠であるRAVを手元に保持するまで、リスクヘッジとしてサービス提供を停止する選択が可能です。一方で支払者側も、自らがデジタル署名を行った額以上の資金を不正に引き抜かれる懸念がありません。

Pedro Diogo氏が言及するx402やA2Aといった標準規格が、エージェントたちが意思疎通を図るための「言葉」であるとするならば、TAPはその言葉に乗せて価値(GRT)を循環させるための「血管」そのものとなることを意味していると言えるでしょう。

Horizonアップデートの負の側面

しかしながら、光が強ければ、その影もまた深いものです。プロトコルを根底から書き換えるHorizonアップデートは、理想的な設計図の裏側で、ネットワーク参加者に少なくない混乱と実務的な負荷を強いることとなりました。

Explorerの機能不全とユーザーの困惑

2025年12月のローンチ直後、ネットワークの玄関口であり、デリゲーションの実行や預け入れたGRTの引き出しなどを行う公式ツールである「Graph Explorer」は一時的な混乱に陥りました。

プロビジョンという新たな概念が導入されたことで、従来のUIでは「自分の預けているGRTがどこにあるのか」「報酬が正しく発生しているのか」が正しく表示されないバグや遅延が多数発生したのです。プラットフォームには上記画像のようなメッセージが表示されましたが、ETA(修復までの大まかな所要時間)などは示されていませんでした。

The GraphコミュニティのDiscord上でプラットフォームの不具合について告知がなされたのはHorizonのメインネットリリースから10日経った2025年12月19日であり、最終的にプラットフォームが完全に修復されたのは2026年に入ってから、すなわち実に1ヶ月以上も混乱が継続することとなりました。

また同様に、Graph Explorerを使用したUndelegate(委任の解除)も正しく動作しない事態となり、ユーザーはArbitrum上で直接スマートコントラクト上の関数を呼び出すことを余儀なくされました。

その手順はThe Graph公式ドキュメント上に掲載されていますが、手順は非常に複雑であり、多額のGRTをデリゲーションしているユーザーにとっては操作ミスによって資金を失うかもしれないという恐怖と、運営チームに対する不信感が募る結果となったことは否めません。

このように、 「技術への信頼」を掲げる分散型インフラにおいて、ユーザーインターフェースという「窓」が曇ったことは、多くのデリゲーターに「得体の知れない恐怖」を抱かせる結果ももたらしました。

The Graph Foundationのチームは、プロジェクトに貢献してきた市場参加者とのミスコミュニケーションを以前から認識しており、Horizonアップデートによってプロトコルの複雑性が増した現在となっては、これまで以上に慎重かつ迅速なコミュニケーションが求められることになるでしょう。

第三回のまとめ

さて、このように、Horizonアップデートの中身を俯瞰すると、The Graphが目指す将来像が浮かび上がってきます。

  1. プロトコルのモジュール化によって、サブグラフ以外のデータサービスを受け入れる土壌を広げた。
  2. プロビジョンとスラッシングの刷新によって、資本を人質に取ることでTradFiやエンタープライズの利用に耐えうる信頼性を確保した。
  3. TAPによる決済インフラが、AIエージェントによる高頻度決済を疎通した。

GIP-0066というHorizonを定義する設計図の裏側には、The Graphを「dAppやナードのための便利ツール」から、「AIやが24時間365日自律的に経済活動を営み、TradFiの信頼性検証に耐えうる基盤」へと書き換えるという、野心的な軌道なのです。

Horizonアップデートは2025年12月9日にメインネットへローンチされ、1ヶ月の移行期間を経て2026年1月19日に完全な移行期間の終了が予定されています。(2026年2月1日時点では、Edge&NodeによるNotionの更新がないため、最新の移行ステータスは各自でご確認下さい)

このアップデートが吉凶どちらに転ぶかは誰も分かりませんが、未来の需要を見据えたThe Graph史で最大の更新であったことは疑う余地はありません。

※ AI経済圏やTradFi市場への参入は、The Graphだけでなく、Alchemy、Subsquid、Covalentなどの競合サービスも目指しています。これらの競合分析は第6回で詳述します。

次回予告

第一回から第三回にかけて、The Graphの技術的根幹と参加者の役割、そして今後の将来展望をご紹介しました。しかし、いかにインフラが堅牢で技術が優れていようと、その上で実需を伴わなければ、それはなんの意味も持ちません。

次回の第4回では、視点をインフラからアプリケーション層へと移します。

UniswapやAaveといったDeFiの覇者から、NFTマーケットプレイスに至るまで、Web3の最前線においてThe Graphはいかにして快適なユーザー体験を支えているのでしょうか。具体的な活用事例を徹底的に解剖します。

  1. Edge & Node Unveils ampersend for Agent Payments Built on Coinbase x402 and Google A2A https://blockchainreporter.net/edge-node-unveils-ampersend-for-agent-payments-built-on-coinbase-x402-and-google-a2a/ ↩︎
  2. The Graph GRT Token Economics. – The Graph Academy https://thegraph.academy/ecosystem/graph-token-economics/. ↩︎



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